研修日誌

【4月21日(日)開催】認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編
テーマ「アルツハイマー型認知症の人への薬物療法と介入」 

ZOOMミーティングを活用しまして、4月21日(日)9:30~13:00
「認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編」をオンラインで開催しました。

【内容】
9:30~9:45講義「認知症の基礎知識:薬物療法のポイント」
9:45~10:05講義「症例説明」
10:05~11:35ワークショップ(グループワーク)
「アルツハイマー型認知症の人への薬物療法と介入」
11:35~13:00グループ発表・総括

参加者①

感想

今回のワークショップでは、認知症患者の症例説明後、1グループ4人程度に分かれて90分間のグループワークを行い、最後にグループ発表を行いました。
グループワークでは、問題点を3つのカテゴリ(薬物療法、認知症対応、介護サービス)へ分類し介入案を提示、その後、重要な問題点を3つ抽出しました。
10グループでは、主軸となる3つの問題点として、「認知症治療の適正化」「患者本人及びご家族の認知症に対する病識の低さ」「介護サービスをより上手く利用できないか」を挙げました。
グループワークではファシリテーターのご助言もあり、患者及びご家族にとってより良い結果に結びつくように、活発な意見が交わされました。特に患者のパーソナリティに焦点を当てることへの重要性が議論に上がったことが印象的でした。さらにグループ発表では、グループ内では議論として挙がらなかった内容に関しても発表があり、認知症患者を取り巻く問題点の改善を考える上で多角的な視点が必要であることを学びました。
認知症患者を取り巻く問題点への改善には、多職種との連携を図ることが必要であり、今回の研修を通じて、問題点の抽出・介入案提示に対して視野を広げられたので、実践で取り組んでいきたいと思います。ワークショップに参加させて頂き、ありがとうございました。

参加者②

感想

今回のワークショップでは1つの症例について5~6人ずつのグループに分かれ、90分間のSGDを行い、最後にいくつかのグループがまとめた怠見を発表しました。SGDではファシリテーターの進行のもと、さまざま意見が出て活発な話し合いができました。
ディスカッションでは症例の問題点を提起し、それに関して薬剤師がどのように介入できるか、どのような介入が必変かを話し合いました。我々のグループでは大まかな問題点は3つ「服薬管理・服用薬の妥当性」「認知症患者への対応「適切な介渥サーピスがあげられました。
例えば、服薬に関しては、現在服用中の薬剤が症状に対して合っているのか、どんな薬剤が適切か、アドヒアランスや患者と家族の負担、生活状況の観点から用法・用量は適切かを考え、どのように改善し提案するのが良いかを議論しました。
問題点を提起する中で、薬に関してだけでなく、認知症の病識の理解、認知症患者ヘの適切な対応やサボート、キーパーソンや家族の負担を軽減するにはどうすればよいか、在宅医療での介護サボートの概要、他職種とどのように連携ができるか、という知識も薬剤師には必要であると考えました。そして一番重要な点は、患者本人の自立度を考え、要望や希望を傾聴しQOLを向上させるためにより良い具体的なアプローチ方法を考えることであると学ぷことができました。
症例をもとに意見を出し合い、問題を特定し、解決策を考えるプロセスを経験することで、今後の薬剤師のキャリアにおいて大いに役立つものと確信しています。

ファシリテーター

感想

今回のワークショップ基礎編は、「アルツハイマー型認知症の人への薬物療法と介入」のタイトルで実施しました。当日は51 名の受講者が症例の説明を受けたあと、5~6名で1 グループとなり、各グループにファシリテーターが加わり、計10 グループに分かれてグループワークを行いました。
受講者は「うつ症状と認知症の違い」など7 つの事前課題を通して症例に対する知識を深めてグループワークに参加しました。
症例は夫と二人暮らしで、夫が心配していろいろやってしまい、本人は庭いじりが好きで座ってばかりのデイサービスに意欲的になれない、息子は県外在住だが月1 回定期的に来てくれるなどの状況で、これらを考慮して解決すべき課題を検討していきました。
オンラインでのディスカッションにも皆さんすぐに慣れ、着眼点が盛りだくさんな本コンテンツでの90分は短いくらいでした。
本人の意向に沿った処方の適正化だけでなく、認知症の進行予防や家族の介護負担軽減に対して等、薬剤師としてすべきことを議論していきました。
グループワークのあと、各グループの発表を聞き、自グループではあがらなかった課題や対策を共有しました。
受講者からは今回の気付きを明日からの日々の業務に活かしていきたいとの感想があがったワークショップとなりました。

2月18日(日)開催】認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ応用編
テーマ「軽度認知障害(MCI)における薬剤師の介入を考察」

ZOOMミーティングを活用しまして、2月18日(日)9:30~13:00
「認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ応用編」をオンラインで開催しました。

【内容】
9:30~9:45講義「認知症疾患に関する薬剤師の介入のポイント」
9:45~10:05講義「症例説明」
10:05~11:35ワークショップ(グループワーク)
「軽度認知障害(MCI)における薬剤師の介入を考察」
11:35~13:00グループ発表・総括

参加者①

感想

参加前に事前課題に取り組み、当日は、事前資料による症例に対し、グループ内で問題と考えた項目について意見を出し合う事から始まりました。課題は、軽度認知障害(MCI)、フレイル状態の入院中のAさんの退院に向けての具体的な対応策です。
退院前のミーティングで、薬局薬剤師として何を、誰に、どのように提案し、何をしていくべきなのかを議論しました。その内容をまとめ、グループごとに発表をし、他グループとの意見交換を行いました。1+1=2というような答えがでるような課題ではありません。病院の地域連携室担当者、医師、看護師、薬剤師、地域包括センターの担当者などの多職種のみでなく、入院前のAさんの世話をしていた方々、疎遠ではあるが身内の方も含め、本人の意思を尊重した対応策を考えました。
認知機能の低下は本人が気づきにくい、また受け入れにくい状態と考えます。フレイル状態に関しても、コロナ禍で自宅に引きこもりが多くなり、気がつかない方が増加していると言われています。薬剤師として、薬はもちろんですが、薬以外ですべきことは何かを、多職種の役割を理解し、多職種を巻き込んだ介入をしていく事の必要性を改めて認識しました。

参加者②

感想

軽度認知障害(MCI)における薬剤師の介入を考察する、をテーマに7グループに分かれてグループワークを行いました。各グループで問題点を3つ挙げ、その問題点に対して、薬剤師としてどのように介入するかを話し合いました。
私のグループでは、退院後の薬物治療について、MCI患者に薬剤師としてできること、患者さんとの信頼関係の構築の3つを問題点として挙げ、その対応策を考えました。
用法を簡潔にして一包化すること、服薬時点を他のサービスが介入する時点にまとめること、血圧の管理を行うこと、MCI進行抑制のために社会と関わる機会を増やすこと、食事と栄養面を改善してフレイルを予防すること、訪問回数を増やしたり、血圧や睡眠状況を確認しながら患者さんとの信頼関係を築くことを介入案としてまとめました。
各グループでの話し合いの後、グループごとに発表を行いました。他のグループで話し合われた内容は、また異なった視点からの考察もあり、多くの意見を聞くことができました。
MCIを認知症と混同して考えておりましたが、MCIは認知症ではなく、健常な状態に戻ることもあり、進行させないことが大事であること、そのために薬剤師ができることを考える機会になりました。また、他職種との連携が大事だということも再認識できました。
参加者は、認知症研修認定薬剤師を取得している方、これから取得を目指す方がおられました。事前課題で症例に対して各自問題となる点を考えてきたことと、疾患や治療薬について調べていたこと、またファシリテーターの方のスムーズな進行により、活発な意見が出されました。私は認知症研修認定薬剤師の資格を取得しており、久しぶりのワークショップでしたが、新たな知識と考え方を習得することができ、明日からの業務に活かせる大変有意義な研修会となりました。

ファシリテーター

感想

今回のWS応用編では、半年ほど前にMCIと診断された患者の退院時共同指導において、薬局薬剤師が何を問題とし、どのようなことを提案するのか、各グループで考えました。
今回の患者は、認知症ではなくMCIということで、また変形性膝と股関節炎もあるため、薬物治療がどうあるべきか、MCIやフレイルを進めないために退院後の食事・生活をどうするのか、を考えなければならず、大変難しい題材でした。しかし、実際に遭遇しそうな症例でもあり、これから認定取得を目指す受講者はもちろん、認定取得済みの受講者にもきっと面白い内容であったと思います。
 ファシリテーターは、議論が趣旨から脱線したときにそれを正したり、議論が停滞しているときにヒントを出して活性化したりする役ですが、本研修ではグループ内に知識や経験が豊富な方が多くいて、自発的にかなりの提案が挙がってきた為、大変楽でした。
 『共育』、ファシリテーターをしながら、毎回受講生と共に勉強させて頂いております。毎度素晴らしいWSを提供して下さっている認知症研修制度の皆さんに、感心・感謝しております。

【12月10日(日)開催】 認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編
テーマ「レビー小体型認知症の基礎知識と対応方法」

ZOOMミーティングを活用しまして、12月10日(日)9:30~13:00
「認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編」をオンラインで開催いたしました。

【内容】
9:30~9:45講義「認知症の基礎知識:薬物療法のポイント」
9:45~10:05講義「症例説明」
10:05~11:35ワークショップ(グループワーク)
「レビー小体型認知症の基礎知識と対応方法」
11:35~13:00グループ発表・総括

参加者①

■グループワーク中のスライド画面(内容は加工しております)
グループワーク中のスライド画面

感想

今回のワークショップは、まず全体で認知症患者の症例の説明を受けた後、1チーム3~4人(ファシリテーター除く)で、計8チームによるグループワークを行いました。グループワークでは症例に対し課題を抽出し、解決策を導き出していきました。その後、全8チームが各チームでまとめたものを発表する形でした。
今回、ワークショップが初受講の人もおり、また、オンライン開催だったこともあり、最初は進め方を模索しているような状況でした。しかし、ファシリテーターのアシストにより活発なディスカッションへ発展させることができました。
グループワークは90分という長い時間のように感じましたが、症例の課題を抽出し解決策を導き出すには短い時間でした。グループでディスカッションをすることにより、自分では気付けなかった視点からも症例をみることができ、薬剤師としてできることがこんなにもあったのかと目が覚める思いでした。
思いつく限りの課題と解決策をまとめ、グループとして発表しましたが、各グループ発表ではまた異なった視点からの課題と解決策が提示され、薬剤師が介入できる機会はさらに多くなると実感できました。
オンラインでも対面に劣らない深いディスカッションや意見交換ができ、また、物理的な負担も少なく、非常に有意義なワークショップでした。
今回のワークショップを実際の業務に活かしていきたいと思います。

【12月10日(日)開催】 認知症研修認定薬剤師制度ワークショップ基礎編
テーマ「レビー小体型認知症の基礎知識と対応方法」

参加者②

■ワークショップ中の様子
ワークショップ中の様子

■グループワーク中のスライド画面(内容は加工しております)
グループワーク中のスライド画面

感想

8つのグループに分かれ、症例をもとに問題点を抽出し、検討を行いました。
各グループ大きく3つの主軸を決め、90分のグループディスカッション後、発表を行いました。
3グループでは、認知症と診断され治療を開始した患者の服用薬について「服用薬の妥当性」、不安を抱えている患者家族の「病識と薬識の不足」、患者を取り巻く環境について「生活(食事と転倒)や家族の介護負担増大」の3つを主軸にしました。
「服用薬の妥当性」では、まずは認知症治療を優先し、治療効果を評価した後に、他服用中薬剤の妥当性の検討に移行すべきであると考えました。
「病識と薬識の不足」では、患者家族の認知症に対する不安が症例から見受けられたので、病識と薬識を満たすことで、患者家族の不安を軽減できると考えました。
「生活(食事と転倒)や家族の介護負担増大」では、認知症の進行により転倒リスクや患者家族の介護負担が増えることが予想できたので、多職種で連携し、患者をサポートできる体制を整える必要があると考えました。
各グループ発表を終え、様々な意見がみられ、各グループで有意義な議論が行われたと感じました。
研修を終え、今後問題点を検討していく際は、「病態」を捉え、「症状」を把握し、それをもとに「治療」を行っていくことを意識する必要があると学びました。

■グループワーク中のスライド画面(事務局撮影)
グループワーク中のスライド画面(事務局撮影)


【10月8日開催】 認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修

ファシリテーター

2023年10月8日(日)、第17回日本薬局学会学術総会に併せて認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修を開催しました。「認知症基本法」成立を受け、認知症領域における薬剤師の貢献度を広げること、新型コロナの影響を受けた認定者に対して認定更新を確実に実施することを目的としております。

研修の様子

開催日時:10月8日(日) 14:00-17:00
場所:名古屋国際会議場
参加者:認知症研修認定薬剤師 全38名

●特別公演(14:00-15:00)
演者:名鉄病院認知症疾患医療センター部長 宮尾眞一先生
・認知症の診断・病態について
・薬剤師に求められること
・レケンビについて

●グループワーク(15:00-17:00)
テーマ:
①認知症告知について
②認知症受診拒否の本人、家族について

1チーム4人~5人の班に分かれて、グループワークを行いました。
テーマに関して各自が挙げた問題から、班として深掘りをするものを決め、解決策を模索しました。その内容をワールドワイドカフェ形式で他の班に共有し、ブラッシュアップをしながら、参加者全体へ発表しました。
「認知症の告知」については、本人の意思を尊重しながらどのように認知症治療を進めていくかが議論の中心になりました。告知にあたりハードルとなっているものは何か、告知後に過度な不安にさせないために薬剤師がどのような事ができるか等、様々な視点で議論が行われました。
「認知症受診拒否の本人、家族について」は、当事者の意見を尊重しつつ重症化予防を目指す中で、薬剤師がどのように介入できるかが議論の中心となりました。受診拒否の背景にある病識の欠如や認知症に対する偏見を、地域や介護者への働きかけで改善できないか等、様々なディスカッションが行われました。
集合形式での開催であり、参加者同士が対面で話し合うことで日頃の認知症対応で感じる悩みや課題も共有でき、活発な意見交換がなされました。社会的に認知症ケアが求められる中、参加者が今回の知見を活かし、各地域の患者・家族を救うため活躍頂くことを願っています。

【10月8日開催】 認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修
■テーマ①認知症告知について

参加者①

研修の様子

感想

今回グループ6では『認知症を告知する』というテーマで話し合いました。考え方としては、告知をするにあたっての問題点がどこにあるのか→その問題の原因となっていることは何か→どのような解決策があるのか を軸にしています。
まず、各自で問題点について意見を出し合います。「告知をしたらどうなるのか。どう感じるのか。」本人だけでなく家族のリアクションについても可能性を書き出しました。次に、「なぜ、そう思うのか、その考え方を変えるにはどのような解決策があるのか。」につなげていきました。いろいろと考える中で、「こんなケースもあるよね」「こんなことも起きているかも」というように肉付けをしていきます。新しい観点を見つけるために別グループでも話し合いを行ったあと、持ち帰ってまとめました。結論は以下3点となりました。
「患者本人や家族に正しい知識を供与する」
「受け入れ易い人に告知をしてもらう」
「利用できるサービスをわかりやすく見える化し、多職種が連携してサポートする」
今後、高齢化社会が急激に進む中、地域で多職種が協力し合って患者をサポートすることが本人、家族にとっても地域にとっても良い結果につながるだろうという意見で一致しています。その一端を担うことも私たち認知症認定薬剤師の務めであることを再確認しました。

【10月8日開催】 認知症研修認定薬剤師制度アップグレード研修
■テーマ②認知症受診拒否の本人、家族について

参加者②

研修の様子

感想

1グループでは事前に考えてきた問題点を各々挙げてもらい、それを本人・家族・地域・専門職の4つにカテゴリー分けを行った。
分類分けしていくと付箋の数に偏りが出たが、分類の枠を超えて共通する問題点および重要な点にフォーカスして問題点を選定した。
選定した問題点は「本人:先の見えない不安」、「家族:病識欠如」、「専門職:知識・対応力」の3つ。いずれも認知症に対して正しい理解をしていない事が原因と考えた。
解決策として、それぞれの立場の人に適した時間・内容での情報提供(勉強会、カフェ、講演、書面、広報、ラジオ、SNSなど)を行う事が挙げられたが、実行するためにはまだ課題は多い部分もあるという結論に至った。
グループ内で良い意見がたくさん出たが、自身の力不足のため解決策まできれいにまとめきれなかった点は反省し、次回に活かしていきたい。
今回研修全体では二つの課題に対して話し合った。両課題にて共通している問題は認知症に対する理解や正しい情報提供が不足している点であると痛感した。資格を持つ立場の薬剤師として今後も認知症の理解や情報提供など啓蒙活動を各地域で実施していこうとより強く感じる事の出来た研修となった。